041213ishidanatsumi
茨城県東海村における地域福祉と地域福祉計画
11月東海村で開催された地域福祉計画作りに関するセミナーに参加して・・・
★なぜ東海村は地域福祉活動に積極的か
東海村は現在、茨城県内で唯一地域福祉計画を策定している自治体である。また、温水プールや温泉を兼ね備えた大きな総合福祉センターもある。地域福祉に携わる人によると、東海村の福祉は非常に進んでいて、なぜかというと「東海村は原子力事業所から入る税金があって金持ちだからだ」という。しかし、東海村において地域福祉活動が積極的なのはそれだけの理由だろうか。
★実際に地域福祉計画は東海村においてどのような形で生かされているのか
☆地域福祉計画とは?
平成12年6月に社会福祉法が改正され、この時、その中に「地域福祉の増進」という言葉が盛り込まれた。同時に、平成15年度から市町村は地域福祉計画を、都道府県は地域福祉支援計画を策定することが定められる。
社会福祉法(抄)(平成15年4月施行)
第107条(市町村地域福祉計画)
市町村は、地方自治法第2条第4項の基本構想に即し、地域福祉の推進に関する事項として次に掲げる事項を一体的に定める計画(以下「市町村地 域福祉計画」という。)を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者その他社会福祉に関する活 動を行う者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、その内容を公表するものとする。
1 |
地域における福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項 |
2 |
地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関する事項 |
3 |
地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項 |
第108条(都道府県地域福祉支援計画)
都道府県は、市町村地域福祉計画の達成に資するために、各市町村を通ずる広域的な見地から、市町村の地域福祉の支援に関する事項として次に掲げる事項を一体的に定める計画(以下「都道府県地域福祉支援計画」という。)を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民その他の者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、その内容を公表するものとする。
1 |
市町村の地域福祉の推進を支援するための基本的方針に関する事項 |
2 |
社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項 |
3 |
福祉サービスの適切な利用の推進及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達のための基盤整備に関する事項 |
<地域福祉推進の背景と必要性>
○ 地域社会の変容等により、不安やストレス、自殺やホームレス、家庭内暴力、虐待などの生活上の諸課題が複雑多様化
○ 他方、ボランティアやNPOなどの活動が活発化し、社会福祉を通じた新たなコミュニティ形成の動きも顕著
○ 個人の尊厳を重視し対等平等の考え方に基づき、地域住民すべてで支える社会福祉に変わっていくためには、地域住民の参加が不可欠であり、その自発的、積極的な行動が重要
○ 社会福祉を特定の人に対する公費の投入と考えるのではなく、むしろ福祉活動を通じて地域を活性化させるものとして積極的な視点でとらえることが必要
○ 地域福祉計画が21世紀の福祉を決定づけるものとして、自治体の首長、議会のリーダーシップを期待
☆東海村の概要
位置:県庁所在地、水戸市の北東約15km。東は太平洋に面し、西は那珂町、南はひたちなか市、北は日立市と接している。総面積37.48ku。
人口:男17,843
女17,541
計35,384
世帯数12,892 (平成16年10月)
歴史:昭和30年、村松村と石神村が合併して東海村が誕生。東海村の誕生は、日本の原子力研究のスタートでもあった。昭和31年、東海村に原子力研究所の設置が決まり、翌年32年には、研究用原子炉に日本初の原子の火が灯る。昭和34年、原子燃料公社東海精錬所(現・核燃料サイクル開発機構東海事務所)が開所。昭和41年、日本原子力発電東海発電所が商業用発電を開始。現在、東海村にある原子力事業所は13を数える。
☆ 東海村の地域福祉計画
<東海村の策定手法>
@住民参画が基本
A地域福祉計画策定委員会・地域福祉計画策定ワーキング委員会を組織
B地域福祉コミュニティづくり村民運動との連携
C福祉懇談会の開催
D民生委員・児童委員協議会との連携
E社会福祉協議会との連携
<計画の内容>
非常に具体的。
出典:東海村地域福祉計画
東海村役場HP http://www.vill.tokai.ibaraki.jp/
厚生労働省 地域福祉計画HP http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/c-fukushi/